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【家庭用ミシン 糸調子が合わない(上糸調子皿の糸詰まり・異物)】 下糸が強い、下側の糸を引っ張ると糸が抜ける、上糸が弱い、裏側の糸が浮く、裏側の縫い目が点々になる、上下の糸調子が合わない、最近糸調子が合わない、上糸が糸切れした後、糸調子が合わない

こんにちは! ミシン販売専門店 1級縫製機械整備士の早乙女です。
最近糸調子が合わない、糸切れした後、糸調子が良くない、下糸が強いなど
糸調子についての相談があります。


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不具合縫い目と解消方法を教えますので参考にしてください。

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表面の直線縫いです。
見た目綺麗な縫い目に見えますが


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裏面は上糸がループ状に浮いています。
見る方によっては下糸が強いと思う方もいますが実際には上糸の張力不足(張力不良)が原因となります。

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面板を外し内部を確認します。
こちら上糸の糸調子皿です。


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上糸糸調子皿に挟まっていたミシン糸です。


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右側が挟まっていたミシン糸、右側が定番ミシン糸/フジックス製シャッペスパン60番糸です。
使用糸は毛羽たちや撚り(捻じれ)が強いミシン糸でした。
毛羽だちや撚りが強いミシン糸は摩擦抵抗が多いため糸切れにより皿部分にミシン糸が挟まっていた事で皿が閉じない(張力が効かない)のが原因でした。


●上糸糸調子の張力確認方法
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押さえレバーを下げた状態で上糸調子ダイヤルを自動又は標準位置で針穴手前の糸案内まで糸掛けしてミシン糸を引っ張ります。
⓵正常な張力は少し重い感じですがミシン糸は引っ張れます。

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押さえレバーを下げた状態で上糸調子ダイヤル数字を一番強い位置で針穴手前の糸案内まで糸掛けしてミシン糸を引っ張ります。
②正常な張力は重いですがミシン糸は引っ張れます。
※引っ張った時⓵引っ張る強さがほとんど同じ場合には上糸調子に問題があります。


対処方法

エアースプレー(空気缶)が有れば風力で異物除去が可能な場合もありますが解消しない場合は小クリップを使います。

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エアースプレー(空気缶)が有れば風力で異物除去が可能な場合もありますが解消しない場合は小クリップを使います。

小クリップをこのように棒状に伸ばします。

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押さえレバーを上げた状態で糸調子ダイヤル数字を一番弱い位置します。
クリップ先端を皿部の隙間に刺し込んで上下にグリグリします。

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裏側から見たイメージです。


作業後、押さえレバーを下げた状態で上糸調子ダイヤルを自動又は標準位置でミシン糸を引っ張り、張力が有れば回復しています。
※作業後同じ張力の場合は要修理となります。


今回のようなトラブルを防止にはミシン糸の選択が重要です。
下記のようなミシン糸はなるべく使わないことをお勧めします。
⓵古いミシン糸・・・5年以上経過した糸は経年劣化により糸切れが起こりやすい。
②安価ミシン糸・・・毛羽たちや撚りが強い糸のため糸切れや糸調子が不安定なる場合がある。
③レジロン(伸縮糸)  透明糸・カタン糸(糸切れしづらい)   カタン糸(糸切れしづらい/柔軟性が弱い)・・・・癖が強い糸のため糸絡み等のトラブルになりやすいです。


●当店のお勧めのミシン糸
フジックス製シャッペスパン60番とフジックス製ファイン50番共に糸毛羽たち無し、撚りも弱いので縫いやすいミシン糸としてお勧めです。
手芸店やミシンショップでもお勧めする定番のミシン糸です。


使っているミシンの調子悪く、お困りになった時やミシンの点検、オーバーホールを考えている方、迷わず当社修理窓口にお気軽にご相談ください!

■ミシン販売専門店、修理の問い合わせ先
TEL : 0120-28-5828 (フリーダイヤル)
FAX : 03-3329-5567
修理問い合わせはこちら

2022 11 26 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)


【家庭用ミシン内釜の針傷について(水平釜仕様)】 内釜が浮き上がり縫えない、縫うと糸が絡む、糸が絡んだあとうまく縫えない、ガガガ音がして縫えない、エラー音・表示が出て使えない

こんにちは! ミシン販売専門店 1級縫製機械整備士の早乙女です。
家庭用ミシン(水平釜仕様)で内釜が浮き上がり縫えない、縫うと即糸が絡む、1度糸が絡んだあとうまく縫えない、ガガガ音がして縫えない、エラー音・表示が出て使えないなどの相談があります。

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その原因の1つが内釜部分の針傷や破損です。
お使いの家庭用ミシン(水平釜仕様)で内釜に問題がないか確認してみましょう。

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こちらが家庭用ミシンの新品の内釜組です。
内釜の外回りをミシン糸が1周回ることで上下のミシン糸が交差して縫い目になりますが内釜の外周を回る時に引っかかる原因の1つが針傷となります。


⓵内釜の針傷例(交換範囲)
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このように内釜の外周部分に大きな針傷がある場合はミシン糸が傷部分に引っかかり糸絡みやエラー停止します。

②釜の針傷例(要交換範囲)
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外周の角状部に針が刺さった跡があります。
ミシン糸が傷部分に引っかかり糸絡みやエラー停止します。


③内釜の針傷例(交換範囲)
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上矢印は針傷、下矢印は潰れ傷です。
何度も糸絡みを繰り返し内釜が浮き上がり傷だらけになるケースもあります。
傷箇所が外周内でも針傷や潰れ傷が有る場合は傷を削っても内釜の歪みや変形により異音や糸絡みを起こします。


④内釜の針傷例(回復可能範囲)
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外周より内側の針傷は紙ヤスリやカッターで穴部分を平に削れば回復可能な範囲となりますが針傷が原因で歪みが出た場合は要交換となります。 ※運転時、カタカタ音が出る場合は交換となります。                          

予想する内釜傷の原因
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ミシン針と外釜と内釜が交わる画像です。
針板を切り、見やすくしました。
左側が外釜の剣先、右側が内釜ですが隙間は2mm位あります。
普通に使用した場合にはミシン針が2mm位撓り、内釜に針が刺さるのは考えづらいかと思われます。


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こちらが正常な内釜の取付け位置です。
内釜の凸と右側の釜止め金具がくっついているのが正常な位置です。


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こちらは内釜の凸と右側の釜止め金具の間に隙間があります。
もしこの状態で縫われますと・・・次の画像


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内釜がズレたことで縫い始めると角状部に針が刺さり②釜の針傷例に当てはまります。

予想原因例
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家庭用ミシンのはずみ車を手で回す方向は決まっています。
基本的に反時計回り専用となりますが何らなの原因で時計回りに回した場合に内釜が左方向へ動き、最悪は針傷が付く位置まで移動する場合もあります。


その他予想原因例

・上糸の掛けミス(天秤に掛かっていない、上糸道間違いなど)により内釜付近に糸が絡んだ後、内釜の取付け位置を確認せずに針板を固定して使用した。
・上糸の掛けミス後、上糸を最初から掛け直ししないで何度も縫おうとした。
・透明糸(テグス)を使用した。(柔軟性がないので素材のため下糸(ボビン)側などには不向きな素材。
・レジロン(伸縮糸)使用した。 (伸びる糸はミシン針が撓りやすいので水平釜仕様には不向き、ボビンケース仕様のミシンに適している糸)
などが考えられます。あくまでも予想ですが参考にしてください。

※内釜に傷が有る場合は早い時期に新品交換することをお勧めしますが内釜=消耗部品についてはメーカー保証期間内でも実費となります。


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2022 10 22 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)


【針板の針傷について・針板傷対処方法】 糸が切れる、糸調子が合わない、縫い目が浮く、、返し縫いをすると糸が切れる、ジグザグ縫いをすると糸が切れる

こんにちは! ミシン販売専門店 1級縫製機械整備士の早乙女です。
糸切れする、縫い目が不安定、糸調子が合わない、縫い目が浮く、返し縫いをすると糸が切れる、ジグザグ縫いをすると糸が切れるなどの相談があります。
その原因の1つが針板の針傷があります。

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針傷とは・・・針板の針が落ちる穴に針が下りず、針板の穴外周付近に針が当たり傷が発生します。

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これは家庭用ミシンの針板部分です。
針が落ちる穴付近の傷は全て針先端が当たった傷となります。
特に矢印箇所が酷い箇所です。


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これは職業用ミシンの針板です。
左側に針傷が多く見られますがかなりの数針先端が当たった跡があります。

ミシン針の撓り(しなり)により傷の箇所にも違いがあります。
⓵布地を引っ張って縫った場合は針落ち穴手前側に傷がつきます。
②布地を押して縫った場合は針落ち穴奥側に傷がつきます。


●トラブル対処方法

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使用工具
家庭用・職業用共に平ヤスリ・丸ヤスリの種類を使います。
安いヤスリ(ダイヤモンド粒子)ですと傷以外の面も削れてしますのでできればホームセンターなどで鉄工ヤスリの細かい(細目(さいめ)、油目(あぶらめ))をおすすめします。


対処方法
針板表面の針傷
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針板表面の針傷・・針落ち穴近くの針傷は平ヤスリ使い低い角度で削ぐように削ります。


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針板表面の針傷・・削った跡の画像です。
平面部・・・傷跡の回りの山が削られて平になっています。


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針板穴縁の針傷・・針落ち穴に平面部は平ヤスリ、左右の丸カーブ部分は丸ヤスリ
を穴に通し縦傷部分が消えるまで削ります。
※縦溝が残った状態ですとその部分にミシン糸が引っかかり再度、針傷が付く場合もありますのでご注意ください。


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研磨後の画像です。
傷数も多く、深い傷もあるため元の針落ち穴の外周に比べ穴全体が大きくなります。

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左側が研磨後の針板、右側が新品の針板となります。
針傷の研磨処置範囲は針の太さの半分程度の傷までが限度です。
※針落ち穴が大きくなると布の巻き込みの恐れがありますので交換をおすすめします。


針が折れた後から縫い目の乱れや糸切れするようでしたらミシン針の新品交換と針板の針落ち穴に傷が無いか確認してみてください。


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2022 10 03 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)


【職業用ミシンのトラブル相談・解消法】 ミシン針が針板穴の端に落ちる、針板にミシン針が当たる、ミシン針が針板に当たる、ミシン針が針板の穴の中心に位置なっていない、

こんにちは! ミシン販売専門店 1級縫製機械整備士の早乙女です。
【職業用ミシンのトラブル相談・トラブル解消法】 ミシン針が針板穴の端に落ちる、針板にミシン針が当たる、ミシン針が針板に当たる、ミシン針が針板の穴の中心に位置なっていない、などの相談があります。


針板の穴に対しミシン針が中心位置にならない などの相談があります
不具合なのか検証してみます。


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このように針板の針落ち穴に対し中心位置になっていない。
この程度の誤差の場合は不具合ではなく針板の固定位置が原因の場合も多々あります。

確認準備として
ミシン針の曲がりの可能性も高いのでまずはミシン針を新品交換してから針落ち位置を確認します。

解消できる例1
針板の左右調整


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職業用ミシンの針板固定は2本止めとなり、ネジは皿ネジを使用しています。


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針板側もネジ同様に皿状(逆三角)です。


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ネジを少し緩めてから針板の向きを調整します。


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ミシン針が穴中心に合わせた状態でゆっくりとネジを締め付けて完了です。

使用針のミス例
職業用ミシンの針仕様は2種類(DB針とHL針)あります。
適正なミシン針なのか確認ください。


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ミシン針14番・・右側がHA/HL(平針)仕様は針の固定面が平状、左側がミシン針DB(丸針)仕様は針の固定面は丸状になっています。
※HL/HA針の方がDBに比べ直径が太めです。

適さないミシン針を使用した場合

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⓵DB針仕様にHA/HL針を使用した場合・・針向き修正できずこのように左側に針位置になります。

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②HA/HL針仕様にDB針を使用した場合はこのように左側に針位置になります。
※DB針を固定すると針向き保持板が曲がりや変形しHL/HA針の取付けができなくなる場合もありますのでご注意ください。
※不適正なミシン針を使いますと目飛び、針折れなどの恐れがありますので必ず適したミシン針を使用ください。

是非、お試しください。


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2022 09 09 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)


針板の固定ネジが硬くて緩められない 針板固定ネジの外し方 針板の固定ネジが硬くて緩められない 針板ネジの外し方 針板ネジの外す方法 針板ネジの外す工夫 硬いネジを外す方法

こんにちは! ミシン販売専門店 1級縫製機械整備士の早乙女です。
糸絡みや内部掃除などで針板を外す場合はあります。


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メーカーや機種により板状ネジ回しも色々種類があります。
ネジ溝に不適切なネジ回しで無理に回すとエッジ(溝角)が潰れて重症化した例もあります。


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このような道具・オフセットドライバーが有れば簡単にネジは緩みますが一般家庭に無い品かと思います。


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今回、自宅にある品を使い付属のネジ回しを作ります。
準備品:割りばし、マスキングテープやセロハンテープ(伸びないテープ類)、カッターナイフです。

☆作業の工程☆

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1)割りばしをカッターなどで半分にカットします。


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2)割りばしに隙間を空けてネジ回し(板状)をはめ込みます。


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3)残りの割りばし(計4本)を束ねます。


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4)ネジ回しの端部から強めにテープを4周位巻きます。

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5)次に内側も強めにテープを4周位巻き完成です。


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☆使い方・・固定ネジ上あたりを下方向へ押したまま割りばしの先端を持ち反時計方向へ回すと簡単にネジが回ります。

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2022 08 02 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)




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