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職業用ミシンボタンホール器(ブラザーB6TA)の不具合改善方法

こんにちは!ミシンの病院、助手の松村です。
最近、職業用ミシン購入のお客様より、「ボタンホール器が動かない」
「購入時は上部のダイヤルを回すと前方の四角い枠が動いたが、ダイヤルを回しても四角い枠が動かなくなった」「ダイヤルが回らなくなった」といったボタンホール器の不具合相談が多く寄せられております。

職業用ミシンのボタンホール器はミシンとは異なり保証の対象外となり修理される場合は有料での対応になりますが、大体はご自身で直すことが出来るのですが、お電話でのご案内では上手く伝わらないケースが多く有りますので、今回はミシンではないですがご自身で出来る職業用ボタンホール器(ブラザーB6TA)の改善方法をご案内致します。
わかりやすいように、本体のカバーを付けた状態とカバーを外した状態の写真を出していますが、皆さんは安易にカバーを外さない様お願いします。


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【不具合の原因】
ボタンホール器の不具合の多くは
本体から板駒を外した状態で上部のダイヤルを回してしまうことで中のギヤが外れ使用できない状態になる他、さらには正しく板駒を入れないでダイヤルを回し駒が外れなくなるといった不具合があります。
一度ギヤが外れてしまうと板駒を入れても中でカタカタ動いてしっかりはまらなくなります。

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駒を抜いた状態で上のダイヤルを回しますと前面の四角い枠がスカスカ前後するようになります。

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また、板駒を入れてダイヤルを回しますと駒引き板を差し込んでも駒が外れなくなりますので注意してください。

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【改善方法】
ボタンホール器の板駒差込口を覗き込み、板駒を水平になるようにして差し込みます。

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糸駒を入れましたら、戻らないように中の板駒を抑えた状態でダイヤルを回します。

このとき本体の先端も動きますので、テーブルの上などで固定された状態で駒を入れダイヤルを回しますと、カチッと板駒がギヤにはまる感触が有ります、ダイヤルを回し、中で板駒が奥に入ったり手前に来たりすれば元通り使用できます。

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コツをつかむと簡単に直せますので不具合が起きたときにはお試しください。


2019 10 08 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)


JUKI 職業用ミシン・シュプールシリーズ・TLシリーズ25、30系、SL-280EX、300EX系の針棒糸掛け(針棒糸案内)の交換方法

こんにちは! ミシンの病院医院長、1級縫製機械整備士の早乙女です。
今回は、JUKI 職業用ミシン・シュプールシリーズ・TL・シリーズ25、30系、SL-280EX、300EX系の針棒糸掛け(針棒糸案内)の交換方法を記事にします。


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ミシン針が付いている針止め部には上糸の糸道の1つ針棒糸掛け(針棒糸案内)があり、糸絡みや無理に布地を送った際、部品が折れる場合はあります。


針棒糸掛け(針棒糸案内)の役割
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ミシン針には糸をスムーズに縫い目がでるように糸溝があります。


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ミシン糸は溝に沿って布地に刺さる事で縫い目が安定します。
もし針棒糸掛けが無い場合にはミシン針の溝に糸が通過しないため、糸調子が不安定になったり、縫い目が乱れたりする恐れがあります。

針棒糸掛けの交換は順序や取り付けポイントさえ解れば、簡単に交換できる箇所なので作業工程を順に教えますので参考にしてください。


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最初にミシン針、糸通しフック(DX系のみ)を外します。


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針止め部の上にある針棒糸掛けの固定ネジ(―ネジ)を外します。


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外すと4個のパーツになります。
左から①針止め、②誤挿入防止板、③針棒糸掛け、④針棒糸掛け止めネジ
※品名はメーカーにより違いがあります。


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左側のaは、TL-25、30、25SP、30SP用、右側のbは、TL25DX、30DX用、つまり自動針穴通し付き仕様と自動針穴通しが無い仕様では針棒糸掛けは異なりますので注意してください。


取り付け順
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針止めの固定向きです。
内側の左手前に凸部はある方向が前側です。


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まずは針棒に針止めを取り付けます。


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誤挿入防止板を取り付けます。

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針棒糸掛けの順に取り付けて固定ネジで仮止めします。


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針棒糸掛けを固定しますが針止め金具と針棒糸掛け部がこのように上から下側に垂直の状態でネジ固定します。


正常な固定位置
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ミシン糸はミシン針の溝に沿っています。


固定ミス画像
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針棒糸掛け部が垂直ではなく、斜め状態で固定されています。


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針側の糸溝よりミシン糸が手前側になり、針棒糸掛けの役割が弱い事もあります。
正常な固定位置の画像を参考に針棒糸掛けを交換してみてください。


作業自体に自信がない方・目の悪い方はミシンショップやミシン専門店で回復修理されることをお勧めします。

2019 10 07 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)




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