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③ミシン糸について(ミシン糸の品質編)

こんにちは! ミシン販売専門店、修理担当の石黒です。
今回は家庭用ミシンで使うミシン糸の品質の違いによる縫い目、縫い上がりについて記事にします。
ミシンが届いてさっそく縫ってみたら、縫い目が縮む、縫い上がりが良くないなど、縫い目・縫い上がりについてのお問い合わせを多くいただきます。

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原因の 1 つとして、ミシン糸の品質があります。
メーカーの製造ラインでは、上下張力の調整後に必ず、検査基準に適したブロード地 2 枚重ね、基準となるミシン糸(主にフジックス製シャッペスパン糸 60 番)を使い、試縫いテストを行っています。

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ミシン糸は様々な製品ごとに糸質や素材(綿/カタン、絹、ポリエステル、ナイロン等)を問わず、癖が強いミシン糸(撚り [より] が強い、毛羽立ちが多い)を使うことで縫い目や縫い上がりにも違いがでます。
相談者の中には、このミシンは限られたミシン糸でしか縫えないの? ミシン糸を選ぶミシンなの? 手芸店で買ったミシン糸なのに何故!? など意見もあります

1、 家庭用ミシンで使うスパン糸とは


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短繊維(スパン)糸は短い綿状の繊維のことで、原料となる短繊維は通常 38mm~100mm の長さのため、縫い糸にするにはこれを何本か並べて束ねながら長い糸状にします。

種類もスパン糸とシャッペスパン糸があり、どちらもポリエステル 100% の糸ですが、一般的なスパン糸より毛羽が少なく、糸撚りやムラが少ない優れた品質がシャッペスパン糸となります。

2、 糸品質の見分け方
●良品参考ミシン糸(フジックスシャッペスパン60番)

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a) ミシン糸を両手でピンと張った状態で照明に照らします。
このように糸毛羽がほとんど無い状態

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b) 糸の撚り(ねじれ・こぶこぶ)が無いか確認します。 
指先 2 本でミシン糸をつまみ、糸をなぞって撚り具合を確認します。
ほとんど撚りが無い、又は少ない糸は指通りがよく安定した撚り具合がわかります。


参考スパンミシン糸


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(A. 手芸店の低価格ポリスパン、B. 100 円ショップ糸 60 番)


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c) ミシン糸を両手でピンと張った状態で照明に照らすと、AB 共に糸毛羽が多く目立ちます。

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d) 糸の撚りを確認、指先 2 本でミシン糸をつまみ、指通りの感触を確認します。
私的には AB 共にこぶこぶ感があり、特に B の方が強い気がします。          

★アドバイス
ミシン糸次第で縫い上がりにも違いがでますので、糸毛羽と撚り(ねじれ・こぶこぶ)が強いほど上下のミシン糸にテンション(引っ張る力)がかかり、布縮みや縫い上がり低下の原因にもなります。
縫い上がりが良くない場合は、違うメーカーのミシン糸に変えて縫ってみてください。

※1 あくまでも参考画像となり、布質や素材により異なる場合もあります。
※2 ミシン糸品質で縫い上がりにも違いがあります。
検証する場合には、主なメーカー検査基準ミシン糸(フジックス・シャッペスパン 60 番)で確認いただき、参考にしてください。
④ミシン糸について(縫い上がり編)につづきます。

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2021 09 10 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)




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