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⓵家庭用ミシンの縫い上がりについて(直線縫い編)

こんにちは! ミシン販売専門店、修理担当の石黒です。
今回は家庭用ミシンの縫い上がりについて記事にしてみようと思います。
ミシンが届いて、実際に縫ってみると糸調子が合わない、裏側の縫い目がゆるいなど、縫い上がりについてのお問い合わせが多々あります。
家庭用ミシンの水平釜仕様は、表面の縫い締まりは強い・普通なのに裏面の縫い締まりは弱い(布地に糸の食い込みが弱い)特徴があり、上下の糸調子が合っていないようにも見えます。


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正常な縫い上がりと使用ミスによる縫い上がりを検証しましたので、ご自身の縫い上がりと比較、確認してみてください。

●家庭用ミシン 水平釜(水平全回転仕様)縫い上がり
検証素材:ブロード地・縦地方向、横地方向
ミシン針:オルガン製14番
ミシン糸:シャッペスパン60番
直線縫い:縫い目の長さ2.4mm~2.5mm
検証メーカー:ブラザー、ジャノメ、JUKIの家庭用ミシン3台


① 正常な縫い上がり表面(縦地方向)

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各メーカー共に、布地にミシン糸が食い込んでいる縫い見本です。
左から①ブラザーミシン、②ジャノメミシン、③JUKIミシン3社共にほぼ同じ縫い上がりに見えます。

② 正常な縫い上がり裏面(縦地方向)

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水平釜仕様の布地にミシン糸の食い込みが弱く平坦に見えます。


③ 正常な縫い上がり表面(横地方向)

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左から①ブラザーミシン、②ジャノメミシン、③JUKIミシン3社
布地には、縦地(伸びにくい方向)と横地(伸びやすい方向)があります。糸のたるみや「ミの字」のように見える縫い目になってしまいます。

裏面

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原因は横地方向=布地が伸びやすい方向となるので、布地が伸びた状態で縫われてしまい、縫い終わると布地が縮むことによりこのような縫い上がりとなってしまいます。


正常な縫い上がり表面(横地方向)のアドバイス
布地の裏側に紙チラシやコピー用紙などを芯となる素材として使うことで縮みを防ぐことができます。

糸掛けミスによる縫い上り例

a:上糸調子が弱い場合
表面

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裏面

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原因:上糸側の張力が弱い(効いていない)ためこのような縫い目になります。
上糸掛けミスの可能性がありますので最初から掛け直しをお試しください。

b:下糸調子が弱い場合
表面

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裏面

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原因:下糸側の張力が弱い(効いていない)ためこのような縫い目になります。
再度、下糸の糸掛け、セットをしてみてください。

※1あくまで一例のため、布地質や素材により縫い上がりが異なる場合があります。
※2糸質により縫い上がりにも違いが出ますので、検証する場合にはメーカー検査基準ミシン糸(フジックス製シャッペスパン60番)を使い、縫い上がりを確認いただき、参考にしてください。

使っているミシンの調子が悪く、お困りになった時やミシンの点検、オーバーホールをお考えの方、迷わず当社修理窓口にお気軽にご相談ください!

■ミシン販売専門店、修理のお問い合わせ先
TEL : 0120-28-5828 (フリーアクセス)
FAX : 03-3329-5567
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2021 07 12 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)




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