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家庭用ミシン 針釜タイミングの確認方法(水平全回転式針釜)

こんにちは! ミシンの病院医院長、1級縫製機械整備士の早乙女です。
家庭用ミシン 針釜タイミングの確認方法(水平全回転式)  

1)厚地も無理に縫った後から急に縫えない  2)すごい音がしてミシンが停止したなど、ミシンに大きな負荷をかけた後、下糸が上がってこない、縫い目にならない原因の1つに針釜タイミング不良があります。
縫えない原因が針釜タイミングずれなのか ミシン針の糸通し穴と外釜の剣先の交差位置で誰でも解りますのでご自身で確認してみましょう。

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この位置が正常な針釜タイミング位置です。
直線縫い左基線の状態ではずみ車を反時計方向へ回し、針が最下点から上がりはじめ、釜の剣先と針が交差するポイントを確認します。
針穴が外釜の剣先よりも、糸通し針穴一個分ほど下位置にあれば正常に縫える状態です。

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完全な針釜タイミング不良の位置です。
外釜の剣先よりも針穴が上に来てしまっている状態。
下糸を引き上げることができず縫えません。

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針釜タイミング不良の位置です。
外釜の剣先よりも針穴がギリギリ下にあり、下糸を引き上げることができても、目飛びするなど正常な状態ではありません。


針釜タイミングが正常なのに縫えない場合
1) ミシン針が曲がっている
2) 針釜隙間不良など他の原因
まずは新しいミシン針を交換し再度、縫えないか確認してみてください。


確認した結果、針釜タイミング不良と判断した場合はご自身での回復が不可能なのでミシンショップやミシン専門店での修理してください。

2019 08 05 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)


シャカシャカ音・カタカタ音の不具合解消法   ブラザー家庭用ミシン ジャノメ家庭用ミシン JUKI家庭用ミシン シンガー家庭用ミシン ジャガー家庭用ミシン

こんにちは! ミシンの病院医院長、1級縫製機械整備士の早乙女です。

ミシンの不具合解消法
今回は水平釜仕様の家庭用ミシンで縫うと釜あたりから擦れる音(シャカシャカ音・カタカタ音)が出るなどの相談があります。
原因は厚地縫い、ミシン針の選択ミス(厚地に対し細い11番針を使う)、レジロン糸(伸びるニット用)などミシン針が撓る(しなる)ことでミシン針が下方向へ降りる時に針先が奥方向へ撓り(しなり)、外釜の縁に針傷がつきこの音が出るようになります。

外釜の針傷を取ることで擦れる音(シャカシャカ音・カタカタ音)を減少させる工程をお教えします。


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準備・・ミシン針、押さえ金、針板、内釜を外します。


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擦れる音の原因はミシン針が下方向へ落ちる際、ミシン針が奥方向へ撓り(しなり)、釜縁に針が当たり、その針傷が原因で運転すると内釜からシャカシャカ音やカタカタ音が鳴ります。

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外釜の縁に針傷があるか?確認してみます。
外釜の縁部分、赤丸、この位置にマイナストライバーを平にあてます。


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マイナスドライバーを平にあてたまま、はずみ車を時計方向へゆっくり回します。


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約1周回し、剣先位置で止めます。
再度、開始位置から繰り返し確認します。
針傷の箇所は砂利感(じゃりかん)がありますのでその部分をマイナストライバーで鞣すようにして、針傷を削りと取ります。

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傷が取れたら空運転します。
内釜をセットし、内釜と外釜の縁隙間に研磨材を少量塗ります。
当店では研磨性の低い、独自の液体クリーナーを使用していますが同等の素材としては液体タイプの研磨材・ピカールや車の水垢落とし液体ワックスなどが適していると思います。
注意)針止めネジは運転中に緩まないように締めた状態にしてください。


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研磨材を少量塗り、5分から10分程度、空運転します。


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研磨材で内釜が削れてこのように黒い汚れがでますので外釜の縁、内釜の外周に付いたクリーナーを除去します


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内釜、外釜の汚れを取り再度、内釜をセットして空運転を行い、音を確認する。
この工程は当店で実施している作業となります。
この処置はあくまでも回復補正であり完全に音が消えるとのは無いと思います。

注意)・・・糸切れセンサー付きのモデルについては空運転させる事ができません

この工程を行っても音が変わらない場合は内釜の歪みや外釜に大きなダメージがあるので販売店やミシンショップにご相談ください。

2019 08 03 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)




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