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[家庭用ミシン] 下糸巻きについて・・・下糸巻きが上手く巻けない、下糸巻きでフカフカになる、ボビン糸がフカフカ、ボビンの下側に巻き付く、ブラザーミシン、ジャノメミシン、JUKIミシン、シンガーミシン、ジャガーミシン

こんにちは! ミシンの病院医院長、1級縫製機械整備士の早乙女です。
下糸巻きについて、下糸巻きがうまく巻けない(下糸巻きが上手く巻けない、下糸巻きでフカフカになる、ボビン糸がフカフカ、ボビンの下側に
巻き付く)など下糸をボビンに巻く際、何らかのミスにより悪い仕上がりになる場合はあります。


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ボビンの糸巻きがフカフカや糸同士は食い込んでいますと縫製の時にスムーズに糸が回転しないため、縫い目が不安定、糸切れ、糸絡み、針折れなど
のトラブル原因にもなります。
下糸巻きが上手くできない方へ基本的な下糸巻き手順をお教えますのでご参考にしてください。


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このように糸巻きがゆるい下糸は使用することができません。
糸道の掛けミスや下糸巻き糸案内(張力皿)にしっかり糸を掛けていない場合ゆるゆる状態で糸が送られ、ボビンの下側に巻き付いたり、巻き具合がフカフカになります。


基本的な下糸巻き順(説明実機ジャノメ/NP3000)

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糸巻き順画像
家庭用ミシンの下糸巻きをする糸道順・・⓵糸立て棒→②下糸巻き糸案内(張力皿)→③下糸巻き軸の順になります。
下糸巻き糸案内の役割としては下糸巻き糸案内が糸に抵抗(テンション)を与え、ボビンにきつく巻くために必要な部品となります。
注意ポイント・・・下糸巻き糸案内(張力皿)部分にしっかり糸が掛かっているか確認します。


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間違い例・・この糸道では下糸巻き糸案内に糸が掛かっていないため下糸巻きはNGです。

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※ブラザーミシン/PS200系やジャノメミシン/NP3000/2000/1000・PE800系などで通常方法では上手く巻けない場合には糸案内皿に1回転巻くと糸の弛みが減り、上手く巻くことができます。 あくまでも参考として記載。

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ボビンの穴に糸を通し、さらに15cm位出し、ボビン上位置で糸をつまんだ状態でスタートします。


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ミシン糸が1割位巻けたら1度停止し、つまんでいたミシン糸を根元で切ります。


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最後まで糸を巻いて完了です。
★注意・・・ボビンがゆるゆる・フカフカ状態でミシンに使用しますと下糸がうまく送れないため、糸絡みや縫い目が不安定など
トラブルの原因となりますのでご注意ください。


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他・・モデルによって簡単下糸巻き仕様につきましてはうまく下糸が巻けない場合には今回に記事内容に下糸巻き方法をおすすめします。


使っているミシンの調子悪く、お困りになった時やミシンの点検、オーバーホールを考えている方、迷わず当社修理窓口にお気軽にご相談ください!

■ミシン販売専門店、修理の問い合わせ先
TEL : 0120-28-5828 (フリーダイヤル)
FAX : 03-3329-5567
修理問い合わせはこちら

2025 08 02 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)


オーバーホールとは・・?

皆様はオーバーホールという言葉をご存じでしょうか?

ミシンは、長年の使用で性能が低下したり、部品が破損することもあります。
そんな故障を未然に防ぐために行う作業がオーバーホールになります。


1. オーバーホールとは・・?

オーバーホールとは、ミシン内部の各機構がスムーズ動く状態を保つためのメンテナンスであり、故障やトラブルを未然に防ぐために必要な作業となります。

車の場合、定期的に車検にて点検・整備を行いますが、ミシンには車検のような制度がありません。
そのため「異音がする」「動きが重い」「縫い目が飛ぶ」「パワーが出ない」...
などの症状がでているにも関わらず、そのまま使い続けてしまうと致命的な故障を招き、修理代+部品交換代などで大きな出費になることがあります。


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焼き付きや半固着症状が起こってしまう前に、
頻繁にご使用する方は3~5年位に1度はオーバーホールをすることをおすすめします。


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特に機構部の油切れ、酸化グリス、ほこり汚れはパーツの摩耗を早める原因になり、内部への糸絡みはモーターや各駆動系の寿命を大幅に短くする恐れがあります。
ミシン油は3年程度で酸化することも考えられ、外装部に付着するとプラスチック部の劣化を早め、悪臭が出ることもあります。

私たち専門店では、1級縫製機械整備士【国家資格】の監修にて点検、整備、掃除を行います。


2. 修理とオーバーホールの違い


修理の場合...
不具合内容を元に悪い箇所を確認し回復のための部品交換、調整、軽掃除、注油を行い、試縫いテストで問題なく縫えると判断後お客様へ返却します。


オーバーホールの場合...
一般的な修理とは異なり時間や手間がかかる作業になります。
外装部の劣化が激しい場合には一部外さないこともありますが、分解ができる範囲で外装を全て外し、表/裏側など全て洗浄します。
内部の各機構のクリーニングでは、酸化油/グリス除去、注油、グリスアップ、各部点検/調整などを行い、現状のコンデションが保てるよう総クリーニング、総点検を実施します。


オーバーホールはミシンの性能を最大限に引き出し、長寿命化を図る目的の総クリーニング、総点検です。

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~ ミシンの危険信号や該当例 ~

・ほぼ最高速度で使用している

・ハードレザー、帆布をメインで多く縫っている

・最高速縫いではないが休憩(モーターのクールダウン)していない

・釜からカチカチ音が出ている

・右側面のベルトカバーの熱抜け穴に黒い煤が付いている

・焦げ臭い匂いがする

・回転速度にムラがある

・何か異音がする

など用途やミシンのコンデションから判断してください。

2025 07 28 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)


【ジャガー電動ミシン KJM1301W  KJM-1301/W のトラブル対処方法】 自動針穴通し不良、自動糸通し不良、針穴通しが上手くできない、針通し不良、針穴に糸が通らない、針穴通しができない

こんにちは! ミシンの病院医院長 1級縫製機械整備士の早乙女です。
「ジャガー電動ミシンKJM1301W  KJM-1301/W 」には自動針穴通し機能が付いていますが針穴に糸が通らない、自動糸通しが上手くできないなどの相談があります。


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ご自身で解消できる場合もありますので参考にしてください。
ミシン針の曲がりのおそれもありますので新しいミシン針(平針/HA11番)を交換します。
※ミシン針はHA11番以外、(9番・14番など)使わないようにしてください。
【必要な工具】 
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・拡大鏡/虫めがね (糸通しフックは小さいため拡大しないと見えづらいので必ず必要です。)
・細目のプラスドライバー
・カッターナイフ又は細いマイナスドライバーの3点が必要となります。
※カッターナイフの方が薄くて使いやすいのでお勧めします。

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確認してみます。
右側面のはずみ車を反時計回りで、針棒を一番高い位置にします。

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自動糸通しレバーを下げます。
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下げた状態でレバーを回転させ、針通しフック(槍状)が針穴の中に貫通しているか確認します。
この時に拡大鏡/虫めがねで確認します
正常なフック位置の画像です。
このように通しフック(槍状)が穴に貫通しているか?確認ください。

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不具合画像・・・見えづらいですが糸通しフックは針穴の右側に反れています。

【フックの高さは問題ないが左右にずれている修正方法】
修正方法⓵
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ミシン針を外し、フックの隙間にカッターナイフや細目のマイナスドライバーなどを根本まで差し込み、軽い力でフック曲げて修正します。

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修正後、再度ミシン針を付けて針穴に貫通しているか確認します。 
針穴にフックが貫通していない場合は再修正します。

修正方法②
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KJM1301のの糸通しフックには左右に調整できる固定ネジがあります。
細いプラスドライバーで固定ネジを反時計方向へ回し、少し緩めます。

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板状の金具を左右に動きますので、フックが針穴の貫通する位置に拡大鏡/虫めがねを使い、微調整をします。
フック位置が合いましたら固定ネジを締めます。

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最後にミシン糸が針穴に通れば完了です。
参考画像

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PS205Xの分解したフック部です。
このように曲がり/捻じれがある場合にはスムーズに糸が引っ張れないため交換となります。
※フック固定板の左右調整範囲を超えている場合やフック潰れや変形がある場合も交換となります。
※今回の記事でうまく調整できない場合には販売店にご相談ください
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使っているミシンの調子悪く、お困りになった時やミシンの点検、オーバーホールを考えている方、迷わず当社修理窓口にお気軽にご相談ください!

■ミシン販売専門店、修理の問い合わせ先
TEL : 0120-28-5828 (フリーダイヤル)
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2024 12 14 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)


ベビーロック製 職業用ミシン・エクシムプロシリーズ(EP9600・EP9600HL、EP9400LS極み、EP9400、EP9000系の針棒糸掛け(針棒糸案内・針棒糸掛け)の交換方法

こんにちは! ミシンの病院医院長、1級縫製機械整備士の早乙女です。
今回は、ベビーロック製 職業用ミシン・エクシムプロシリーズ(EP9600・EP9600HL、EP9400LS、EP9400、EP9000系の針棒糸掛け(針棒糸案内・針棒糸掛け)交換方法を記事にします。


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ミシン針が付いている針止め部分に上糸の糸道の針棒糸掛け(針棒糸案内)があり、糸絡みや無理に布地を送った際、部品が折れる事もあります。


針棒糸掛け(針棒糸案内)とは
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ミシン針には糸をスムーズに送れるように糸溝があります。


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ミシン糸は溝に沿って布地に刺さり、縫い目が安定します。
もし針棒糸掛けが無い場合、ミシン針の溝にうまく糸が通過しないため、糸調子が不安定になったり、縫い目が乱れたりすることもあります。

針棒糸掛けの交換は順序や取り付けポイントさえ解れば、簡単に交換できますのでEP9600HL(平針仕様)の作業工程を参考にしてください。


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針止め部の上にある針棒糸掛けの固定ネジ(マイナスねじ)を外します。


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EP9600HL(平針仕様)は全て外すと4個の部品になります。
左から①誤挿入防止板、②針棒糸掛け、③針止め、④針棒糸掛け止めネジ
※1・・EP9600(丸針仕様)⓵は無く、3個の部品となります。
※2・・品名はメーカーにより違いがあります。


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左側は、EP9600HL用、右側は、EP9600,9400用(丸針用)、つまり自動針穴通し付き仕様と自動針穴通しが無い仕様では針棒糸掛けは異なりますのでご注意してください。


取り付け順
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針止めの固定向きです。
外周・左側の上部分が狭くなっている(凸部)のが奥側
※広い部分が前側になります。


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①誤挿入防止板、②針棒糸掛けの順で針棒に針止め金具に入れます。

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その状態で針棒に差し込みます。


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マイナスネジで固定します。

正常な糸道画像
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最後にミシン針を取付けて完了です。
正常な固定位置の画像を参考に針棒糸掛けを交換してみてください。


※今回の記事でうまく取り付けができない場合には販売店にご相談ください。

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2024 10 26 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)


【ブラザー・コンピューミシン・PS202X・PS203X・ PS205Xのトラブル解消法②】 PS202X PS203X 205X 糸通しフック交換、針穴に糸が通らない、針穴通しがうまくできない、針通し不良、自動針穴通し不良、自動糸通し不良

こんにちは! ミシンの病院医院長 1級縫製機械整備士の早乙女です。
「ブラザーコンピューミシンPS205X」には自動針穴通し機能が付いていますが針穴に糸がうまく通らない、針穴通しができないなどの相談があります。
ご自身で解消できる場合もありますので参考にきてください。
今回、糸通しフック部の交換方法をお教えします。

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【必要な工具】
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・ルーペ(拡大鏡/虫めがね)、細目のプラスドライバーの2点が必要となります。
ドライバー画像・・・上側が細目タイプ、下側が標準的なタイプ(使用不可)です。


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ミシンは使用状態から背中倒しにした方が作業が楽にできます。
ますは糸通しフック部の固定ネジ(プラスネジ)1本外します。


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下方向へ引っ張ると糸通しフック部は取れます。

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次に新しい糸通しフック部を軸に差し込み、ネジを固定します。


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はずみ車を反時計方向へ回し、針棒位置を一番高い位置にします。
次に針通しフック(槍状)が針穴の中に貫通しているか確認します。
この時、必ずルーペ(拡大鏡/虫めがね)で確認してください。
こちらの画像は針穴に対し正常なフック位置となります。 

【高さが合わない場合】

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高さ調整方法は針穴手前まで針穴通し器を回転させ、高さを確認します。
画像ではフックが針穴より上位置になっています。


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糸通しフックの高さが合わない場合は固定ネジを緩め、フックの高さを上下に微調整します。


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行い、針穴にフックが貫通しているかを確認します。

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最後にミシン糸が針穴に糸が通れば終了です。

【フックが針穴に対し左右にずれている場合】

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PS200X系の糸通しフックにはフック位置を左右に調整できる固定ネジがあります。
細いプラスドライバーで固定ネジ反時計方向へ回し少し緩めます。

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ネジを緩めて、板状の金具を左右に移動させ、フックが針穴の貫通する位置にルーペ(拡大鏡/虫めがね)を使い、微調整をします。


針穴手前まで針穴通し器を回転させ、左右のズレを微調整します。
何度か繰り返し、針穴にフックが貫通する動作を確認してください。


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最後にミシン糸が針穴に糸が通れば終了です。


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左側は固定ネジ穴上下部が割れている画像です。
注意)ネジ締めが強いとフック固定部が割れる場合もあります
ネジが緩まない程度に締め付けにしてください。 
※今回の記事でうまく調整できない場合には販売店にご相談ください。

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2024 09 21 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)




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