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糸調子が合わない(ブラザーPC8000)

先日舞い込んだ、ブラザーPC8000の修理依頼です。
上糸調子が弱く、きれいに縫えないというものです。


ご家庭で簡単にできる修理ですので、PC8000をお持ちの方は是非参考にしてくださいね。


考えられる原因は主に3つあります。
①上糸調子の設定が合っていない。
②上糸を調節する皿の間に、糸などが挟まっている。
③内釜にキズがついている。


糸調子が合わない場合、まずは上糸調子の設定を確認します。


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PC8000は、標準の上糸調子が4.0に設定されています。

きちんと合わせたつもりでも、ミシンを操作している間に何かの拍子に設定をいじってしまうことがあります。
そういう時は正しい調子に合わせてください。


上糸調子の設定が合っているのに上手く縫えない場合は、糸調子を調節する皿の間に、切った糸くずなどがそのまま挟まっている場合があります。
今回の依頼されたPC8000には、皿の間にぬい糸よりも太い糸が入っていました。

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赤い線が糸道で、黄色で囲った部分に上糸を調節するための皿が付いています。

  itocyoshi.jpg

横から見るとこのような感じになっていて、皿の隙間をかえることで糸調子を調節しています。


皿の間に糸などが挟まっているかどうか、簡単に確認する方法があります。

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上糸を、ミシンにセットした状態で引っ張ってください。


まず、押え金を上げたまま引っ張ります。
次に、押え金を下げて引っ張ります。


糸道の部分の蓋を開いたままで押え金を動かすとよくわかるのですが、
押え金を下ろすと、連動して皿の部分が閉じるようになっています。
押え金を上げたまま糸を引くと、弱い力で引っ張ることができますが、
押え金を下げて引っ張ると、皿が閉じるので糸を引くのに少し力が必要になります。

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ところが、皿の間にぬい糸よりも太い糸や糸くずなどが挟まっていますと、糸くずがつっかえ棒のような役割をするので、押え金を下げて引っ張っても、上げたままで引っ張ったときとあまり変わらない力で引っ張れてしまいます。

押え金を下ろしているのに糸が簡単に引っ張れてしまう場合は、皿の間に何かが挟まっているということです。

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PC8000は自分でもメンテナンスがしやすい設計になっているので、上糸調子部カバーが簡単に外せます。

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+ネジを一箇所外せば、簡単に外れます。

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皿を指で開いて、間に糸くずが挟まっていれば、ピンセットなどで取り除きます。

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今回は、左の黒い糸が挟まっていました。


最後に、ネジを締めずにカバーだけを付け、糸道に糸をセットします。
押え金を下げて糸を引っ張り、引っ張る感覚が重くなっていればOKです。

糸調子が狂うというのとは少し違いますが、③の内釜にキズがついているというのも、縫い目が汚くなる原因です。釜のキズに糸が引っ掛かってしまい、糸調子は合っているのに縫い目が汚くなってしまうのです。
その際の修理方法はこちらをご覧ください。

投稿者 yamamoto : 2008年03月15日 11:00

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