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安価なコンピューターミシンのスタートボタン

先日、お客様から「スタート・ストップボタンの反応が悪い」という修理依頼を受けました。
機種はジャガーのコンピューターミシンD-1201。
スタート・ストップボタンの反応が鈍く、動かなかったりするとのことで、
確認したところ連続で使用すると反応に難がみられました。
特に機械的な故障が見当たらなかったので、メーカーに確認したところ、この機種は約1.5秒の間隔を空けなければボタンが反応しないとのことで、間隔を空けて使用するようにとの返答を受けました。

ジャガーD1201

D-1201は、どこの販売店でも大体2万円以下ですが、安さの割りに機能が充実しており、多くの初心者が選択するミシンです。

しかし、やはり安価なものはそれなりでしかない、というのは否定できません。
コストを削減させるためのしわ寄せは確実にどこかに反映されます。

以下、あくまで推測ですが・・・
通常、コンピューターミシンは電源制御の基盤と、その他の制御基盤(縫い目の制御や糸調子など)は目的や要求が異なるため、分けて設計しています。
しかしながらD-1201は、コストを抑えるために制御基盤を1枚で済ませている可能性があります。
基盤が1枚になればコストは抑えられますが、複雑な命令をこなす基盤と同じ回路を使用して、全ての動作を行いますので、通常、即応していた反応も、そうでない反応と全て同じ速度になってしまい、結果反応は鈍くなります。

連続した命令処理(スタート&ストップ)ができないと言うだけですので、修理対象や保証対象にはなりませんが、自動車で言うところのアクセルとブレーキの反応が鈍いと言うのは、如何なものでしょうか?

使用シーンを考えれば、あとひと針!の調整の時に、1.5秒以内のスタート&ストップ操作は十分に考えられます。

他の機種の場合、接触不良のためにスタートボタンの反応が鈍くなっている可能性も十分に考えられますが、どちらにせよ、コスト削減のために部品の精度を落としたことが原因と言えます。

お客様の用途によっては、少しでも単価の安いミシンをご提供したいとは思いますが、キチンとしたミシンをお求めの方にこういった機種をお勧めしたら、クレームになってしまうかもしれません。

ある程度、割り切って安いミシンを買って頂くなら良いのですが・・・

本当に安いミシンを求めたら、行き着くところは、ドンキで売っている、1980円のミシン(玩具としか言いようがない品)になっちゃいますよね・・・

投稿者 yamamoto : 2008年02月21日 15:40

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コメント

安全性を確保するために1.5
秒とっているのではないでしょうか?

投稿者 Kazz : 2008年03月25日 14:15

Kazzさん、コメントありがとうございます。
メーカーさんからは、そういった趣旨の回答を頂きましたが、ブラザー、ジャノメ、JUKI等の機種では、そういった動作をする物がなく、この件は販売したお客様からクレームとして上がって来る事の多い問題でもあります。
各メーカーで採用していない特殊な(独自の)動きをするにも関わらず、メーカーからの事前の通達が各販売店になされていなかった隠れた問題でしたので、こういった記載をしました。
(本当に安全性を求めた独自の動作なら、セールス訴求ポイントとしてパンフレットに堂々と記載して欲しい所です)

投稿者 サイト管理人 : 2008年03月31日 13:31

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