【家庭用ミシン内釜の針傷について(水平釜仕様)】 内釜が浮き上がり縫えない、縫うと糸が絡む、糸が絡んだあとうまく縫えない、ガガガ音がして縫えない、エラー音・表示が出て使えない
こんにちは! ミシン販売専門店 1級縫製機械整備士の早乙女です。
家庭用ミシン(水平釜仕様)で内釜が浮き上がり縫えない、縫うと即糸が絡む、1度糸が絡んだあとうまく縫えない、ガガガ音がして縫えない、エラー音・表示が出て使えないなどの相談があります。
その原因の1つが内釜部分の針傷や破損です。
お使いの家庭用ミシン(水平釜仕様)で内釜に問題がないか確認してみましょう。
こちらが家庭用ミシンの新品の内釜組です。
内釜の外回りをミシン糸が1周回ることで上下のミシン糸が交差して縫い目になりますが内釜の外周を回る時に引っかかる原因の1つが針傷となります。
⓵内釜の針傷例(交換範囲)
このように内釜の外周部分に大きな針傷がある場合はミシン糸が傷部分に引っかかり糸絡みやエラー停止します。
②釜の針傷例(要交換範囲)
外周の角状部に針が刺さった跡があります。
ミシン糸が傷部分に引っかかり糸絡みやエラー停止します。
③内釜の針傷例(交換範囲)
上矢印は針傷、下矢印は潰れ傷です。
何度も糸絡みを繰り返し内釜が浮き上がり傷だらけになるケースもあります。
傷箇所が外周内でも針傷や潰れ傷が有る場合は傷を削っても内釜の歪みや変形により異音や糸絡みを起こします。
④内釜の針傷例(回復可能範囲)
外周より内側の針傷は紙ヤスリやカッターで穴部分を平に削れば回復可能な範囲となりますが針傷が原因で歪みが出た場合は要交換となります。 ※運転時、カタカタ音が出る場合は交換となります。
予想する内釜傷の原因
ミシン針と外釜と内釜が交わる画像です。
針板を切り、見やすくしました。
左側が外釜の剣先、右側が内釜ですが隙間は2mm位あります。
普通に使用した場合にはミシン針が2mm位撓り、内釜に針が刺さるのは考えづらいかと思われます。
こちらが正常な内釜の取付け位置です。
内釜の凸と右側の釜止め金具がくっついているのが正常な位置です。
こちらは内釜の凸と右側の釜止め金具の間に隙間があります。
もしこの状態で縫われますと・・・次の画像
内釜がズレたことで縫い始めると角状部に針が刺さり②釜の針傷例に当てはまります。
予想原因例
家庭用ミシンのはずみ車を手で回す方向は決まっています。
基本的に反時計回り専用となりますが何らなの原因で時計回りに回した場合に内釜が左方向へ動き、最悪は針傷が付く位置まで移動する場合もあります。
その他予想原因例
・上糸の掛けミス(天秤に掛かっていない、上糸道間違いなど)により内釜付近に糸が絡んだ後、内釜の取付け位置を確認せずに針板を固定して使用した。
・上糸の掛けミス後、上糸を最初から掛け直ししないで何度も縫おうとした。
・透明糸(テグス)を使用した。(柔軟性がないので素材のため下糸(ボビン)側などには不向きな素材。
・レジロン(伸縮糸)使用した。 (伸びる糸はミシン針が撓りやすいので水平釜仕様には不向き、ボビンケース仕様のミシンに適している糸)
などが考えられます。あくまでも予想ですが参考にしてください。
※内釜に傷が有る場合は早い時期に新品交換することをお勧めしますが内釜=消耗部品についてはメーカー保証期間内でも実費となります。
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投稿者 saotome : 2022年10月22日 12:38
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