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②家庭用ミシンの縫い上がりについて(ジグザグ縫い編)

こんにちは! ミシン販売専門店、修理担当の石黒です。
前回に引き続き、家庭用ミシンの縫い上がりについて記事を書きます。

ジグザグ縫いで布地の真ん中が縮んでしまう、裏側の縫い目の糸調子が合わないといったお問い合わせが多く、中には以前使っていた家庭用ミシンではそんなことは無かったという声もあります。
というわけで、今回はジグザグ縫いでの縫い上がりについて検証してみます。


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現在主流となっている家庭用ミシン(水平釜仕様)では、内釜にある板バネによって下糸の張力が固定されています。そのため布地の厚さや素材により、上下の糸調子が合っていないようにも見えてしまいます。


■ 固定された張力とは
参考画像 - ボビンケースと内釜


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ボビンケース仕様(垂直釜)は、ボビンケースの板バネのネジを左右に回す事で下糸の張力調整が可能でしたが・・・

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内釜仕様(水平釜)では、メーカーで決められた張力(引く重さ 15g 前後)で使うため、下糸側の調整ができない仕様となっています。

正常な縫い上がりと縫い模様に適さない縫い上がりを検証しましたので、ご自身の縫い上がりと比較、確認してみてください。


■ 検証、家庭用ミシン(水平釜仕様)でのジグザグ縫い

素材:デニム地 2 枚重ね(縦地方向)
ミシン針:オルガン製 14 番
ミシン糸:シャッペスパン 60 番
ジグザグ縫い:振り幅 7.0mm、縫い目長さ 3.5mm
検証メーカー:ブラザー、ジャノメ、JUKI の 3 台

1. 正常な縫い上がり表面(縦地方向)

表面

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①ブラザーミシン、②ジャノメミシン、③JUKI ミシン、3 機種のジグザグ縫いです。
3 機種共に表面は布地に食い込んだ模様になっています。


2. 正常な縫い上がり裏面(縦地方向)

裏面

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①ブラザーミシン、②ジャノメミシン、③JUKI ミシン、3 機種のジグザグ縫いです。
3 機種共に裏面は上糸が裏面に引っ張られて、Y の字のような縫い上がりになってしまっています。

水平釜仕様は、どのメーカーも縫い締まりを考慮した張力設定のため、上糸に比べて下糸の張力が強くなっています。そのため裏面が Y の字のような縫い上がりになります。
その中でも③JUKI 系は、他メーカーより強い Y の字になる場合がありますが、メーカー基準としては正常範囲です。


■ 適さない縫い上がり(布地が薄い)
表面

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ジグザグ縫いは、支える部分が無い状態で左右の糸を引っ張るため、縫い目模様の真ん中が縮んでしまいます。


裏面

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裏面はさらに縫い崩れが目立つ状態です。
例)靴ひもを左右で引っ張ると、中央に締め付けられる原理と同じです。


■ 裏側の縫い目が気になる場合の対処法
上糸の張力を強くすることで裏面も綺麗なジグザグ縫いになりますが、上下の張力がさらに強くなるので、素材の厚みに合わせて上糸の張力を「自動/標準」から +1~3 目盛り程度強くする調整です。


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左側から、手動で強め 3、2、1 の順です。
このモデルでは 2 程度強めが適正でしたが、モデルや個体差により違いがあるので、一度試縫いをした後で縫うことをお奨めします。

※1 あくまでも参考画像となり、布質や素材により縫い上がりが異なる場合もあります。
※2 ミシン糸の品質で縫い上がりにも違いがあります。

ご自身で検証される場合は メーカー検査基準ミシン糸(フジックス・シャッペスパン 60 番)を使い、縫い上がりを確認してみてください。

ご使用されているミシンの調子が悪く、お困りになった時は、迷わず当社修理窓口までお気軽にご相談ください!

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2021 08 05 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0)




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